タロット大アルカナ「節制」から「悪魔」「塔」とあまりポジティブな要素の無いカードが続きますね。
たぶん、大アルカナ「悪魔」は、みんさんが十中八九、「嫌がる」カードでしょう。
確かにタロット大アルカナ「悪魔」は、15番です。数秘術では「6」
「6」は悪魔の数字ですね。
しかもジョン・ミルトン「失楽園」の七つの大罪すべてが描かれています。
嫌ってもおかしくはありません。
ただ、タロットは「善悪」「吉凶」ではなく、何かしらの「啓示」を与えます。
「悪魔」の場合は、反手本と言えますね。
■悪魔の教え■
タロット「悪魔」は、確かに「悪魔」だけあって、悪しき事が満載のカードです。「傲慢」「堕落」「怒り」「嫉妬」「姦淫」「暴食」「怠惰」・・・大罪のオンパレードです。
キリスト教では、「悪魔」とは俗名であり、本来は「堕天使」です。
なぜなら、彼らは元々は天使だったからです。
ルシフェルという幟天使が居ました。天界では神の次の実力者です。双子の兄弟にはミカエルがいます。
ルシフェルは神の玉座に座するのは、自分が相応しい、と傲慢の心が芽生えたのです。
そして天使の三分の一を引き連れて、天界で大戦争を起こします。
創造主に叶うわけがありません。
ルシフェルは天から真っ逆さまに地獄に墜ちました。
そしてルシファー=サタンになったわけです。
当然、部下達も皆、堕天使です。
「悪魔」のカードは教えというより警告と考えたほうが良いでしょう。
1.自分の周囲の至るところに誘惑がある
悪魔の仕事は、人間の誘惑です。
誘惑は弱い心の持ち主ほど、引っかかり易いですね。
主な誘惑は・・・
「金銭欲」
「地位・名誉欲」
「異性欲」
「暴飲・暴食」
「怠ける」
「嘘・偽り」
「喧嘩・口論」
「約束を破る」
「憎しみ」
「嫉妬」
「エゴイズム」・・・
と数え挙げたらキリがありません。
人間はなぜこれらの誘惑に陥ると思いますか?
非常にシンプルです。
「自分のことだけしか考えない」からです。
人間はたった一人では決して生きていけません。
お米は農家の人が作るから食べることができます。
お店に洋服が売っているから、衣類を購入して身につけることができます。
会社だって一人で全ての業務はできないでしょ。
家族だって同じです。
それにも関わらず、「自分一人で生きていける」と勘違いしてしまうのが人間の業です。
本当なら感謝すべきなのに、それが当たり前だと思い込みます。
また精神的に弱くなる時もあるでしょう。
「両親・配偶者・子供の死」
「倒産・リストラ」
「破産」
「裏切られる」
「病気」
「戦争」
・・・・。
そんな時こそ、要注意です。
コロッと誘惑に負けます。
そして人生を自分から捨ててしまいます。
自分の周りには誘惑があることを知っておくこと。
同時に誘惑されても、動じない「自分の芯」「信念」を持つことです。
一度、悪しき生活に入り込むと、そこから抜け出すにはもの凄いエネルギーが必用です。
例えば、ジャンキー。薬中ですね。
麻薬を最初は、気軽な気持ちで、単なる遊び感覚で吸ったとしましょう。
次第に、麻薬から抜けられなくなります。
それをさらに続ければ、廃人もしくは死です。
気が付いて更正しようとしますが、抜け出すのは地獄の苦しみです。
要は誘惑に陥るのはいたって簡単。
誘惑から抜け出すには100倍のエネルギーが必用。
ということです。
弱気の時こそ、自分自身を見つめなおすべきです。
それがタロット「悪魔」の警告です。
2.楽を選ぶなら悪魔の魔の手に落ちる。
人間は苦労するのが嫌いです。
もちろん、私だって苦労するのは嫌いですよ。
人間なら誰でもそうです。
遊んでいてお金が入ってくるなら、楽でいいでしょう。
お金があれば何でも買えますよ。
ただ「愛」は買えませんが。
「楽」は「楽しい」とニュアンスが違います。
「楽しむ」ことは多いにすべきです。
しかし、楽な(何もしない)生き方は、その本人を駄目にします。
「依存」も「楽」の範疇ですね。
夫が金持ち。だから楽で贅沢な暮らしができる。
しかしその主婦は間違い無く、悔やんで死んでいきます。
何もしない。何も創造しない。誰も助けない。
つまり人生を歩いてきてないからです。
最悪なのは、そのことすら気がつかずに死ぬことです。
気が付かないなら幸せだ!と勘違いしないように。
自分の人生に気が付かないということは、この世に存在した価値が何も無い。
ということです。
誰からも惜しまれず、そして忘れ去られます。
どの宗教でも、このような生き方をした者は地獄ですね。
もちろん形至上学ですから、証明はできません。
あるとしたら・・の話です。
なんて可哀想な人生なのでしょう。
だから、楽な道と茨の道があるならば、
敢えて茨の道を選んで下さい。
苦労します。
しかし、その道を渡りきったなら、「達成感」「満足感」だけでなく、
自分が今、生きているという実感があるでしょう。