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2024/04/19 (Fri) ▲Top

タロット「隠者」は心への旅

隠者隠者

タロットの絵柄は、時として、全く異なるイメージを抱かせます。その代表的なカードが大アルカナ「隠者」です。

「隠者」は冷たい氷山に立ち、下を向いています。粗末な洋装で、とても地味です。一見すれば、「ネクラ」「隠遁」「ネガティブ思考」「世捨て人」のようなイメージがあります。

ただし、それは間違いです。

「隠者」はある意味「完成形」のカードです。愚者は現実世界の旅を始めました。これを「Fool's Janey」と言いますね。

現に「隠者」は愚者の絵の背景の氷の山に到着しています。愚者は現実的・肉体的な旅です。ここで様々な経験を得ます。

「隠者」は肉体的な旅から精神的な旅への準備ができたことを指しています。

ですから地味ですし、足元を見ています。

■隠者の教え■
１．心の旅へ
「隠者」は現実的・肉体的な旅から、心の旅へと向かう寸前のシーンを描いています。現実的な旅はわかりますよね。

民様も海外旅行や、ちょっとした散歩もします。そこで異文化を学び、実際にやってみたり、そこの食事を獲ったり、公園で遊ぶ子供達の元気なエネルギーを吸収します。経験です。実体験です。

しかし、人間はあくまでも魂の動物です。現実世界で学ぶことは良いことです。多くの体験、読者、芸術に触れることは、自分自身を磨きます。

でもある程度、経験を積んだのならば、次のステップに移るべきでしょう。「ある程度」とは、自分が納得した時点です。

自分の自我へ旅するのです。「あなたはどのような人間になりたいのか？」※「何になりたいか？」とは聞いていません。

「何」とは「職業」を示します。「どのような」とは、例えば「いつも笑顔で、逢った人に必ず感謝する人間」というイメージです。「あなたはどうすればそのような人間になれるのか？」「あなたの中にある煩悩・執着はどのようなものか？」「その悪しきものを制御するには、どのようにすべきか？」もっと高尚ならば・・・「生きるとはどういう意義があるのか」「自分がこの世界に誕生した役割は何か？」「愛とは何か？」「死とは何か？」

これらの自問自答が、心の旅です。
これらの質問に明確に、根拠もある回答ができれば、あなたの魂は間違い無く、高見に昇っています。

学問で言えば「哲学」に似ていますね。「哲学」は読むものではありません。「考える」ものです。ニーチェを読んで、ニーチェの解釈をしたって何も意味はありません。

知識をひけらかしている憐れな者と、君子は思うでしょう。「書籍」を通じて、それをきっかけにして「考える」こと。これが読書です
。
２．経験・智恵が創造力を鍛える
「隠者」は十二分に経験を積んでいます。彼は向かって左側に「ワンド＝杖」を持ち、右側に「カンテラ」を手にしています。「カンテラ」には六芒星が描かれています。

これは両手に「火」を持っているということです。「火」は創造の源。創造力の元素です。

経験は知識を得て、それを自分で試してみなければものになりません。これが智恵です。すなわち、経験＝智恵なんですね。
だから現実世界で、できない事・作れない物はありません。まったくの無から創造もできるでしょう。アインシュタインのように。ピカソのように。または加工して作ることもできるでしょう。

だからと言って、「隠者」が神だとは言っていません。あくまでも人間です。より多くの智恵があり経験があるのならば、中国で言えば「仙人」です。「仙人」は神ではありませんよね。しかし常人とは違います。

仮に自分に創造する力があるのならば、現世に執着はしないでしょう。世捨て人になっても何も困りません。衣食住を超越しています。
他者の目も気になりません。他者と自分の人生は違うことを熟知しています。他者と自分を比較することに意味が無いことも知っています。これが隠者です。

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